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3/17淀川さんぽ~5~ 城北ワンド

2017年03月31日

 

よく晴れた早春の午前、私たちは大阪市営地下鉄谷町線太子橋駅(守口の手前)から城北ワンドと呼ばれている淀川の堤防に向かって歩いた。

 












 

淀川の土手でヨモギを摘んでいる女性に出会う。

タンポポ、ツクシ、ハコベ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリなどの春の草花が咲きだしていた。

 


























堤防の上から眺めると河川敷はブランケット工法(堤防の崩壊を防ぐため、グラウンドや公園などに利用)が目に入る。














一方、この河川工法は、河岸のエコトーン(沿岸帯)の自然環境(植物群落や水辺などの生き物)に影響を与えているのも事実である。河川敷のワンド・タマリ(本流に繋がっている湾や池)に向かって歩くと野鳥の生息域になっている。

























<城北ワンドで記録した野鳥>

ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、キンクロハジロ、カイツブリ、キジバト、アオサギ、カワウ、バン、オオバン、ヒバリ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ムクドリ、ジョウビタキ、ツグミ、ハクセキレイ、アオジ、スズメ。







 






<城北ワンドに生息していたイタセンパラ>

イタセンパラは、タナゴ属の淡水魚で天然記念物及び環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類(CR)。淀川で生息数が多かったのは、1984年(S59年)、そして、城北ワンド群からイタセンパラが姿を消したのは2006年春とされている(大阪工大都市デザイン工学科 綾教授)。その理由として、外来種(ブラックバス、ブルーギル)などによる食害、人による密漁等が野生絶滅の原因ではないかと考えられている。また、野生絶滅というのは、淀川水系の遺伝子を持ったイタセンパラがまだ保護池に生存しており絶滅したわけではないとの検証がされている。

また、「淀川水系イタセンパラ研究所」によると淀川水系におけるイタセンパラの減少要因は、1970年代以降の約30年間にわたる河川改修によって多くのワンド・タマリと本流の流れや水位変化が失われたことだと指摘されている。

                     大阪府民環境会議  清水俊雄