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2014年度事業報告

事業の概要

2014年度の活動と、それに関連する国内外情勢には次のような特徴がありました。

気候変動による異常気象は、年々激しくなり、フィリピン(2014.8)、バヌアツ共和国(2015.3)で大型サイクロンによる大災害が発生、日本においては、西日本が2014年8月豪雨により多くの犠牲者がでました。一方、米カリフォルニア州では、長期にわたる降雨量の減少で、深刻な干ばつ被害がつづいています。世界各地では、高温と低温、多雨と干ばつという両極端の異常気象により、生命の危機をもたらす事態が常態化しています。この原因は、海水温の上昇が気候変動をより大きくして、今後も異常気象や極端現象はさらに激しさをますことが予想されます。

温暖化の原因として、人類の経済活動を発展させてきた化石燃料の大量消費が一つに挙げられています。化石燃料を抑制していくために各国は再生エネルギーへ大きくシフトしていっています。

しかし、日本のエネルギー計画は、フクシマ第1原発の過酷事故の収束もできないままに、原子力発電の再稼働を軸に、CO2を大量に放出する石炭火力発電の比重を高めていく方向へ舵をきっています。日本列島は、いつどこで火山の噴火、東南海巨大地震がいつ起こっても不思議ではない地震活動期に入っています。現在43基の運転可能な原発があり、試運転中断中のもんじゅと多くの核エネルギーを抱えて、自然災害だけでなく、様々な脅威の中で豊かで便利な生活の代償があまりにも大きいことを知ることが大切なときです。原発の依存を減らしていくためにも、多様で地域ごとでの再生エネルギーの促進へシフトしていく強力な国の施策が求められています。

今年11月末からフランスのパリで開催されるCOP21で、先進国だけでなく途上国も含めたすべての国が参加する、2020年以降の新たな枠組みが合意(2015年合意)されることになっています。この合意の中心的な課題は、2020年以降の野心的な削減目標です。主要な締約国には今年3月末までに目標案を出すことが要請されていましたが、日本政府は原発の再稼働に固執し、再稼働の見通しがたたないため、未だに目標案を決めらない状況が続いています。

IPCC第5次評価報告書は、平均気温の上昇が2℃を超えると地球温暖化の影響に対する対処(適応)が困難になるとし、現在の温室効果ガス排出量のままで推移しても、あと30年足らずで2℃を超えるが可能性があるとしています。そして、2030年まで緩和(削減)の取り組みを遅延させると、2℃未満に抑制することが困難になると警告しています。2020年以降の削減目標を決める「2015年合意」は、人類の健全な生存にとって、決定的に重要な合意になっています。