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<報告>7/15 マコモダケ・イネ 水田の草取り活動

2017年07月28日

マコモダケなど水田・里山農空間保全事業 

第2回 << マコモダケ・イネ 水田の草取り活動 >>

 

<日時>

715日(土)くもり 気温:30℃(気象庁 12:00 能勢)

<場所>能勢町山内 ありがとう農園 マコモダケ水田/能勢町歌垣 ありがとう農園 稲作水田

<スケジュール>

1000 ありがとう農園マコモダケ水田 集合→10:15水田の草刈り、生育調査、水質調査、生物観察調べ→12:00昼食→13:00ありがとう農園稲田に移動、草取り→ブルーベリー摘み取り(ボランティア)16:00解散

<参加者>

有山(初参加)、大塚、大槻、岡秀郎、岡英里奈、佐藤(ありがとう農園)、多田(ありがとう農園)、中崎(講師)、中道、湯浅、湯浅夫

<講師>中崎義己さん

<趣旨>マコモダケ、イネの生育を阻害する、他の草を取り除くとともに、マコモダケの生長を観察、また生物の観察調べ、水質調査も行い、今後の活動に役立てる。

<活動内容>

(1)マコモダケ水田の草取り

マコモダケ以外の草を刈った。マコモはすでに周囲の草よりも十分に成長しており、今後成長競争に負けることはないと見られる。

①生育調査  ※中崎さんの大円(おおまる)棚田から株分けをしていただいたもので元々は綾部市内のマコモ農家さんの株

マコモの生育71株・・・もとの採取株からマコモでないものを捨てた(佐藤さん)

標本株(大) 高さ 205cm  7株

標本株(小) 高さ 110cm  5株

全体の株数5~9/1株につき平均およそ7株

標本株(大)の根から第一節(マコモダケになる部分)の長さを測定した。表1に結果を記した。

 表1:根から第一節(マコモダケ)の長さ

 

                              長さ(cm)

標本株(大)

42

37.5

37

37

34

33

31.5

  中崎義己さんの見方によると、全般的にかなり良く生長しており、マコモダケも平均的

 に1株に7つ程度生長している。葉も美しく明るい緑色になっている。生長が良いのは、日当たり・水(条件)が良く、土も生長に適しているためとみられる。

比較的生長の悪い株はおおむね東側の道路沿いに見られるが、これは、道路反対側(東側)の民家の樹木(コナラなど)が大木化して樹影が大きくなり、午前中を中心に日当たりが悪く、また水回りも比較的悪いとみられる。

②水質調査

水口(取水口)、マコモ水田内の2か所の計3か所で溶存アンモニア、硝酸、亜硝酸、リン酸、COD(※1)pH(※2)を測定した。表2に結果を示した。対照として多田さんが提供してくださった六甲のミネラルウォーターの測定も行った。

1:●を使用 ※2

 表2:水質調査結果

 

気温(℃)

pH

NH4

NO-2

NO3

PO4

COD

水口

28

8.0~8.5

0.2

0.01

0.2

0.1

6

水田内1

28

9.0

0.2

0.01

0.2

0.1

8以上

水田内2

31

7.5~8.0

0.2

0.01

0.2

0.5

8以上

ミネラルウォーター

30

8.0

0.2

0.005

0.2

0.05

0~2

 

水口、水田内ともにアルカリ性を示した。近年、酸性雨の影響による水が酸性化しているとも言われるが、この場所では山からの湧き水が流れているのはないかと考えられる。水田内2でのPO4の濃度がやや高めである。

水口よりも水田のCODが高いのは、オタマジャクシ等の水辺の生物による有機物分解の影響か、水田の土中の有機物のためだと考えられる。(?)

③生物観察調べ

マコモ水田にいる生物を目視、捕獲で観察した。主な生物は以下の通り。

トノサマガエル、ツチガエル、ニホンアマガエル、アカハライモリ、タニシ、サワガニ、

 ミズカマキリ、コオイムシ、オオカマキリ、イナゴ、

 コナギ、セリ、アゼナ、イ(グサ)、イヌビエ、センダングサ、ハキダメギク、

 カエルの数が非常に多く、これほどの数を見たのは初めてだという声が多く聞かれた。水田や畦では、視界の中に必ずカエルがいるような状況である。カエルは農薬や肥料を使用している田畑でも見られるが、自然農法の水田ではより多く生息しているように思えた。近年希少になりつつあるアカハライモリやサワガニがいることから水質が良いことがうかがえる。

※自然農法で栽培していても周囲の環境によって完全な無農薬無化学肥料を達成できるかは変わってくる。水田は通常取水と排水が分けて行われており、他の田んぼで利用された水が別の田に流れ込まないように設計されているはずだが、効率化のために排水口を増設することで排水が田に混入していると考えられる。慣行農法の水田の排水流入による、自然農法水田への影響がどれほどであるかは明確ではないが、ありがとう農園の3枚の田のうち上流の2枚は下流の1枚に比べ明らかに雑草が少なく、何らかの影響があるのではないかと考えられる。

農薬の散布でも風に流された農薬が自然農法や有機農法の田畑に影響を及ぼす問題はよく耳にする。慣行農法を選択している農家が多い中で、完全な自然農法を実行するには課題が多い。

 

(2)稲作水田

イヌビエは特に、繁殖するとイネの生長を阻害し、稲刈りにも支障が出るため、優先的に除去した。コナギ、タデなども取ったが、コナギはほぼ全面のように生えており、これはそのままに置いた。

タガメを1個体、確認した。

 

 ※ ありがとう農園の場合

稲田での作業中はガス(メタン?)のような臭いがしたが、マコモ水田ではしなかった。浄化作用?